株式会社オオバ

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事業紹介

大型商業施設のある「新しい駅」のまちづくり

いろいろな利権が絡み合い、常に変更や変化が求められる。誰にとっても完璧なプランなど存在しないーー。
そんな状況の中では、「成功するまでやり続ける」の意識を共有することが大切なのです。

仙台空港アクセス鉄道「杜せきのした駅」と大型商業施設の連携でつくる「まち」。仙台空港や仙台中心部へのアクセスのよさとともに、仙台東部道路、東北縦貫自動車道などにより、車でのアクセスも便利な場所にあります。藩政時代、奥州街道の増田宿が設けられるなど、交通の要衝でもあった土地としてふるさとの資産を継承しつつ、新しいまちづくりが求められた事例です。

まちづくりの方向性を共有することから、はじまる。

まちづくりの方向性を共有することから、はじまる。

課題のひとつ目は、新駅に隣接して誘致した大型商業施設が、自動車の利用を前提としたものだったため、「新駅と機能が分断してしまう」「駅利用者が激減する」という懸念があったことです。
2つ目の課題は、大規模な商業施設を誘致するにあたり、地権者の合意を得る必要があったこと。建設コンサルタントとして、新しく定められる土地の位置や形状、面積などを検討して設計していく作業(換地作業)の手腕が問われるところです。
また行政や一般市民の理解を得て、近隣の商業者ともまちづくりの方向性を共有していくことが課題となりました。

まちづくりの方向性を共有することから、はじまる。

まずは駅と商業施設をつなぐ「ペデストリアンデッキ」を提案しました。ペデストリアンデッキとは、高架になっている歩行者用の通路のことです。新駅と商業施設を結びつけることによるメリットを伝えながら、鉄道事業者と商業施設の意見を調整していきます。
2つ目の課題である地権者の合意形成に関しては、申し出換地手法の提案を行いました。これは、土地所有者である地権者の申し出に基づいて行われる換地手法のことです。地権者への土地活用提案を行なうことで、商業施設の用地確保と地権者の土地活用の実現を同時にすすめていきました。
最後に、3つ目の行政や一般市民に対しては、まちづくり委員会の開催を提案。お互いの意見に対しては否定しないというルールのもと活発な議論を行い、まちづくりの課題と整備の方針を明らかにしました。

質の高いまちづくりを提案。

一般市民の提案内容を尊重しつつも、すみやかな意思決定を促すことに苦慮しましたが、結果としてまちづくりのグレードアップ補助金などを獲得することができ、質の高いまちづくりの提案につながりました。
具体的な提案としては以下の通りです。

・人やまちの成長とともに緑の成長が実感できる公園づくりをすすめ、緑と潤いの環境をつくりました。

・安心して暮らせるまちをつくるために、タウンステーションに常時警備員、警備車両を配置し、地域全体の総合的な警備を実施しました。また巡回の実施や防犯情報の発信を行うことで、安全で快適なまちづくりに繋げました。

・クリーンエネルギーとして環境に負担の少ない天然ガスを供給することで、家計の負担を軽減しながら快適な生活を提供しました。

質の高いまちづくりを提案。
質の高いまちづくりを提案。

成功するまでやり続ける。という原則

成功するまでやり続ける。という原則

成功するまちづくり(事業)となった原動力のひとつは「成功するまでやり続ける」という原則を、関係者全員が共有し続けていくことである、と考えています。まちづくり事業は常に変更や変化が求められるため、単純に解決が図られるものでもなく、誰にとっても完璧なプランが存在するわけでもありません。過去の経験や各専門チームが各種の課題に対して縦横断的に活動することで、課題の解決に向けて前進できたと実感しています。(東北支店 入江大介)